雨風食堂日記【甘味処 川越 あかりや店主の日々雑感】

2006年11月14日(火)

筆の力


いじめによる子供の自殺が相次いでいますが、昔からいじめはあった、子供が弱くなったと切り捨てるのは簡単で、そういう子供を作り上げたのは他の誰でもない、今の社会なんですよね~。

今日の読売新聞の朝刊コラム”編集手帳”お読みになったでしょうか?

この現状からひとりでも多くの犠牲者を救いたい、そんな執念を限られたスペースでいかに効果的に伝えるか、ジャーナリストの筆力と力量を感じずにはいられません。まったく人様の文章ですが、ひとりでも多くの方の目に映るように恐縮ながら全文引用させていただきます。

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伊東柚月さんという方の詠んだ五行歌を頭でなぞっている。「いっそ/大きく凹(へこ)もう/いつか/多くを満たす/器になるのだ」◆草壁焔太(えんた)編「五行歌秀歌集1」(市井社)に収められた一首である。器を満たすものは涙かも知れない。涙の容器になることなど誰しも望みはしないが、凹みを知らない人間に比べてどれほど魅力的か◆一片の詩句を知ることで、気の持ちようで、死を決意させるほどの苦しみが薄らぐとは思わない。自分を励ますことに疲れ、いまこの瞬間にも力尽きそうな子供たちのひと粒の糧になればと、藁(わら)にもすがりつく心境でここに引いた◆人を自殺に追いやるほどのいじめは、ほとんど犯罪である。告発するのは少しも恥ずかしいことではない。凹みも深ければ器が割れる。割れる前に、涙の湖を語ってほしい◆もう1本の藁にすがる。「いじめっこが/いじめられっ子に/ひらあやまり/三十年ぶりの/同窓会」(清美)。昔よりも陰湿で残忍ないまのいじめにはそのまま通用しないとしても、「歳月」がいかなる魔法を演じるかは生きつづけてみなければ分からない◆30年とは言わず、3年、いや1年、心の凹みを打ち明け、声を発して生きてごらんなさい。あの時、死ななくてよかったと思う瞬間が必ず訪れる。約束しよう。だからいま、死んではいけない。

(2006年11月14日付読売新聞”編集手帳”より全文引用)

甘味処 川越 あかりや

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