雨風食堂日記【甘味処 川越 あかりや店主の日々雑感】

2006年8月15日(火)

平和はありがたいですね。


雨風食堂の店舗の建物は昭和13年建築です。店を始めたときに改築をしたのですが、喫茶スペースの天井部分は当時の太い梁がむき出しになっていて、お客様ともよく話題になります。ふだんは何気なく眺めているこの木材も毎年この時期になると”ああ、この梁は戦前からここにあって、米軍の戦闘機の轟音も聴いているんだよなあ”と別の感情が湧き上がってきます。川越は運良く空襲の難からは逃れましたが、雨風食堂のすぐ近くに単発で爆弾を落とされたと父に聞きました。それはすごい轟音で父は押入れに頭から入り丸くなっていて震えていたそうです。

読売新聞が前からシリーズで掲載してきた”検証・戦争責任”。この15日で最終報告として2日にわたり6ページをさいて昭和戦争を開戦期、継戦期、終戦期などおおまかに分けてそれぞれ責任の重い人物をあげて解説してとても読み応えがありました。個人的には学生のときにかなり近現代史は興味をもって勉強したつもりなんですが、結構偏った見方をしていたかなあと感じました。

責任の重い人物を東京裁判とは別視点で独自の検証しているのはとても説得力があるのですが、ああいう悲惨な展開に至るのには、とても複合的なものがあって、エリート意識が強い閉鎖的な幕僚政治や言論統制によって機能しないジャーナリズムなど、平和主義的な方向へもっていこうとする人物がいても押しつぶされてしまう、そもそもシステム的な問題があったんだなあというのがよく分かりました。情報を伝えるということだけでも、今とはスピードと正確さがまったく違う時代、自己陶酔的なエリート軍官僚が誤った方向に導くには最高の環境だったんでしょうね。

昭和の時代を知らないこれからの子供たちのためにも、戦争の悲惨さを体験した世代の方にはどんどん語って、教えていただきたいものです。

甘味処 川越 あかりや

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Filed under: 未分類 — 店主 @ 15:56:29
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